シャンテについて
シャンテは、キャロル360の後を継ぐ形でデビューを果たします。
シャンテは事実上キャロル360の純粋な後釜ですので、キャロル360同様、斬新なエクステリアデザインが採用されるのではないかと巷では思われていました。
しかし、シャンテのエクステリアは、あくまでも機能面を重視したデザインに落ち着く事になります。
ただシャンテには、斬新なデザイン云々よりも遥かにインパクトのある噂話が飛び交っていたのです。
それは、シャンテになんとロータリーエンジンを搭載するプランがあったという事実。
実際にマツダは、1ローター360ccのエンジンを搭載したプロトタイプモデルを造り、1970年、当時の運輸省に正式に申請を試みているのです。
しかし、「自動車の一般的なエンジンと言えるレプシロエンジンの1.5倍に値する排気量を持たないとロータリー化は不可能である。」というFIA(国際自動車連盟)が定めたレギュレーションがネックとなり、このプランは実現するには至らなかったそうです。
つまり、「シャンテの360ccという小さなエンジンではロータリー化は無理である。」と結論付けされたという事になります。
このFIAの言い分、確かに一見的を得ているように思われますが、実は「マツダのロータリー軽自動車の実用化に脅威を感じた他のメーカーが執拗に反発したから却下に至ったのである。」、と当時は囁かれていました。
仮にこれが事実であるとすると、他のメーカーのマツダの類い稀な技術力に対する恐怖心の表われであると考えられます。
確かに、当時のマツダの技術力は他を圧倒していました。
というのも、当時ロータリーエンジンの実用化を虎視眈々と狙っていたのは、なにもマツダだけではなかったのです。
100社にも及ぶ世界中の自動車やオートバイメーカーが、ロータリーエンジンを実用化しまいとチャレンジを試みていたのです。
その中で唯一成功を納めたのが、なにを隠そうマツダなのですから…
いずれにしても、シャンテにロータリーエンジンがもし搭載されていたら、後世まで語り継がれる伝説の名車になっていたのは間違いないでしょう。