R360は1960年4月、それまでトラックを中心としたラインアップしか存在しなかったマツダから初めて発売された乗用車です。
R360は軽自動車に属するのですが、エクステリアデザインからメカニカルな部分に至るまで、当時としては非常に画期的な造りがなされていたのが大きな特徴です。
R360で真っ先に目を引くのが、そのユニークな形状をしたクーペボディ。
現在こそ多くの車に採用されているクーペボディですが、当時としてはとても革新的なものであったのです。
同時にR360は、クーペという新たなるジャンルを確立した先駆車でもあったのです。
このR360の功績が、その後の自動車業界に大きな影響を与えたのは言うまでもないでしょう。
R360の心臓部には360cc空冷4サイクルV型2気筒エンジンが搭載されており、最高
出力16ps/5300rpm・最大トルク2.2kg-m/4000rpmのスペックを誇っていました。
確かにパワーが少ないように感じられるものの、R360の小さなボディを最高速度90km/hまで引っ張る事ができたのです。
さらにR360のミッションには当時主流であった4速マニュアルミッションの他にも、なんと2速オートマチックミッションのラインアップもなされていました。
オートマチックミッションは現在でこそ主流となっているものの、当時としては大変珍しいものとされていました。
これは余り知られていない事なのですが、当時の国産車の代名詞といえるトヨタクラウンにオートマチックミッションが搭載されたのが1961年。
しかしながら、ちょうど1年前の1960年に発売されたR360にはすでにオートマチックミッションが搭載されていた訳ですので、このR360こそオートマチックミッション搭載車の先駆車と言えるのです。
あの世界のトヨタよりも先にオートマチックミッションを発明していたマツダ。
マツダこそ世界一のメーカーであると言っても決して過言ではないのです。
R360の当時の新車価格は330,000円。
このリーズナブルさが受けて、R360は1969年の生産終了までの9年間で総販売台数65,000台を記録しました。
庶民の足として大人気を博したR360ですが、その後キャロルに主役の座を譲りその人生を全うする事になったのです。